ベルトスクロールアクションの始祖と言えば熱血硬派くにおくん。では元祖は?それはアーケードゲーム『ダブルドラゴン』です。今回はこのゲームを振り返っていきたいと思います。
史上初のベルトスクロールアクションゲーム
ダブルドラゴンは1987年にテクノスジャパンから発売されました。ご存じの方も多いでしょうが、このテクノスはくにおくんを生み出したメーカーでもあります。
そしてゲーム内容も熱血硬派くにおくんと同じ本格的な喧嘩ゲーで、またこのダブルドラゴンは史上初のベルトスクロールアクションゲームとなっています。
熱血硬派くにおくんはベルスクの重要な要素を生み出した作品なのでベルスクの始祖と呼ばれていますが、ベルト型のスクロールするステージではなく箱型のステージでした。一方でこのダブルドラゴンは、ベルトのような横長のステージを画面をどんどんスクロールさせながら進む形となっています。
海外市場を意識
このゲームが世に出る前年、日本では熱血硬派くにおくんが大ヒットしていました。そこでくにおくんのようなゲームを海外でも展開しようということで作られたのがこのダブルドラゴンなのです。
くにおくんとはキャラも世界観もガラリと変わっていますが、それもそのはず。くにおくんは日本独特のツッパリ文化をテーマとした作品なので、これをそのまま海外に持って行っても、向こうの人からすればなんのこっちゃわかりませんから。
そのためゲームの舞台はアメリカになっています。そして主人公はビリー・リーとジミー・リーのリー兄弟。通称ダブルドラゴン兄弟で両者ともカンフーの使い手です。
世界観はアメリカチックなものとなっていて、ダブルドラゴン兄弟の服装も80年代のアメリカの映画で出てきそうなものになっていますね。敵もムキムキマッチョなスキンヘッドがいたり、女子レスラーのような女がムチを振ってきたりと、くにおくんとはまるで異なるものとなっています。
ただこのダブルドラゴンは前述のように海外市場を意識されたものではありましたが、日本でも大人気となりました。当時のゲーマーで知らない人は全くいない作品でしょう。
王道のストーリー
さてバックグラウンドの話はこのあたりにして、ゲームの中身を見ていきましょう。
まずストーリーですが、ビリーの恋人マリアンが、悪の組織ブラックウォリアーズにさらわれるところから始まります。容赦のない腹パンがめちゃくちゃ痛そう…
そのマリアンを救出するためにダブルドラゴン兄弟が敵と戦っていくという、当時のゲームの定番の救出劇となっています。
くにおくんと同様の爽快感と一味違ったアクション
アクションに関しては、くにおくんと同様に敵とバシバシと本格的な殴り合いを繰り広げるというものになっています。こちらの作品も殴る蹴るの爽快感がありましたね。
ただしくにおくんとは技がまた一味違うものとなっているのが特徴。パンチや掴んでからの膝蹴り、投げなんかは同じですが、このダブルドラゴンにはくにおくんには無かった技であるヘッドバット、ソバット、そして肘打ちなんかがあります。
逆に腰掛けパンチやダッシュなんかはこちらでは無くなっていますけどね。
そして殴り殴られのときに出る効果音は重厚で、バトルしてるぜって気持ちにさせてくれます。相手をボコってる時は非常に爽快。この気持ちのいい効果音って格闘型アクションで大事なところですよね。
さらに武器も使えるのが特徴です。こちらも熱血硬派くにおくんには無かった要素。落ちているバットを取って振り回すとか、ドラム缶を持ち上げて投げたり蹴って転がしたりと、ど派手な喧嘩が楽しめる爽快アクションとなっているわけですね。岩を持ち上げて投げるなんてこともできちゃいます。
ステージギミックまであります
またステージギミックもあるという豪華さ。くにおくんではバイクとバトルなんてのもありましたが、ステージギミックはなかったのでこちらも新要素。ステージ2でベルトコンベアーが出てくるのですが、これを上手く使えばボスを瞬時に倒したりすることができます。まあこれをやるにはかなりの修業が必要ですが。
さらに最終ステージでは飛び出る壁や槍を振る像なんかが出てきます。特にこの飛び出る壁の凶悪さといったらありません。当たると体力がごっそり削られます。おそらくランダムで出てきてるので攻略法も確立できない…もうすぐラスボスってところで4にまくります…あとちょっとなのでコインを入れたくなるんですよね。おそらくインカムのことを考えての仕掛けなんじゃないかなあと。
今も語り継がれる反則級の技
しかーし、初心者でもワンコインで長く楽しめる仕様がこのゲームには存在するのです。
それは肘打ち。
この肘打ちがあまりに強すぎるんですよ。まず当たり判定がでかすぎる。敵と結構な距離があるのに当たります。そして一発当てると敵はダウン。この肘打ちを繰り返すだけで簡単にラストステージまでたどり着けちゃうんですよね。
この肘打ちは今でもレトロゲームの有名エピソードとして欠かせないものとなっています。
これって予期せぬバグだったのか意図的な仕様だったのかどっちなんでしょうか。みんなに長く楽しんでもらって、ラストステージでコインを入れてもらうと考えてやったのだとすれば、プレーヤーとメーカーお互いWin-Winになるので、上手いやり方だと思うのですけどね。
最後に
このダブルドラゴン、今やると少々退屈ではあります。ゲームスピードは遅いですし、軸ずらしをして相手をボコってまた軸をずらして…の繰り返しですから。
しかし歴史的にはベルトスクロールアクションの元祖としてとても重要。これがなければあのファイナルファイトも生まれなかった、もしくは別の形のゲームになっていたのかもしれません。
そして本作はくにおくん同様にとても人気が出て、このあとも続編が発売されることとなります。続編はまた後日紹介しますね。
それではベルトスクロールアクションの元祖、ダブルドラゴンの紹介はこのあたりで終わりたいと思います。
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